ヒアリングの際にお客様の隠れたニーズを引き出すことで
成約率はグンと上げることができるでしょう。
ではヒアリングの際に用いると効果的な「SPIN話法」はご存知でしょうか?
今回は「SPIN話法」についてお伝えしていきます。
隠れたニーズを引き出すヒアリング技術とは
株式会社即決営業の食べログこと営業コンサルタントの小山です。
私事ですが、昨日ラーメン屋で食事をし、
私の大好きなメニューのラーメンをいただきました。
思うことなのですが、最近のラーメン屋さんは
お客様にしっかりとヒアリングをするなと感心しておりまして、
「お客様、スープはこってりですか?あっさりですか?」
「麺の硬さはどうしましょう?」
「チャーシューは炙りますか?」「にんにく入れますか?」
「背脂どうしましょう?」
と、このように聞かれます。
これは営業におけるヒアリングとは別物なのですが、
お客様のニーズをしっかり聞いて、
完璧に応えてしまうラーメン屋さんは素晴らしいと思うのです。
みなさまも、ご近所のラーメン屋さんのヒアリングのすごさを
ラーメンと一緒に味わってみてください。
では、本題に入ります。
あなたは、お客様の所へ行き、
自社の商品を一生懸命プレゼンをした結果、
「いや、今考えてない」
「やっぱり今のままでいい」
「必要ない」
と、ばっさりと言われ、落ち込んだ経験はありませんか?
みなさん、誰しも一度は言われた経験があるかと思います。
「間に合っている」と言われても、引き下がるのはNGでしょう。
私も数々の営業マンとお話しさせていただいてるのですが、
優秀な営業マンは何が優れているかというと、とにかくヒアリング力が高いです。
お客様からニーズを引き出すのが上手なので、契約率が必然的に高くなるのです。
今回は「ヒアリング力を伸ばして成績を上げたい」と願う
すべての営業マンにヒアリング技術をお伝えします。
お客様の信頼を得るために提供すればいいものとは
まずはクイズです。
商談において、お客様の信頼を得るためには
何を提供すればいいと思いますか?
- 会社の大きさ
- サービスの良さ
- 値引き
さて、いかがでしょうか?
残念ながら、すべて不正解です。
正解は、お客様に「気づき」を提供することです。
隠れたニーズを引き出すヒアリング技術「SPIN話法」
あなたは、SPIN話法を使っていますか?
もし、あなたが「SPIN話法、知っていますよ」止まりの営業マンであれば、
おそらく「SPIN話法、知らない」という営業マンと
同じくらいヒアリング力の低い営業マンかもしれません。
「SPIN話法って、聞いたことはあるけど実際どうなんだろう」
「お客様には、笑顔と真心で寄り添うのが正義!他に何もいらない!」
と、スキルの習得を先延ばしにしているなら、
この記事を機にSPIN話法を正しく知って習得してください。
成績上位を獲得し続ける営業マンは、10人中10人といってもいいほど、
ヒアリングの際にこのSPIN話法を使いこなしています。
ですから、これは必須のスキルです。
SPIN話法とは
SPIN話法とは、イギリスの心理学者が考案した営業手法であり、
ヒアリングの際、お客様に売り込みを感じさせず、
お客様の隠れたニーズを引き出すために使う技法です。
SPIN話法のS・P・I・Nは、
状況質問(Situation)
問題質問(Problem)
示唆質問(Implication)
解決質問(Need-payoff)
これらの頭文字を取っています。
S・P・I・Nの順番で質問をしていき、
お客様も気づいていない隠れたニーズを引き出すテクニックです。
隠れたニーズを引き出す「SPIN話法」①状況質問(Situation)について
SPIN話法の1つめのプロセス「状況質問(Situation)」についてお伝えします。
状況質問とは、お客様の現在・過去・未来の状況を
把握するために話を聞くことです。
すべてのお客様が現在の状況を生きています。
この現在に至るまでに、みなさん必ず過去があり、
現在の先には、必ず未来が待っています。
このなかにお客様のニーズが必ず隠れています。
最初は現在の状況を確認します。
例えばBtoBですと、お客様と会ったらまず名刺交換しますよね。
名刺を受け取ったら、名刺から読み取れる現在について質問しましょう。
質問をして話を振るのは、お客様の現在の状況を確認しつつ、
初対面のピリついた空気を和ませるのが目的です。
例えば、
「御社の商品は〇〇を主力とされていますが
他にはどのような商品を扱われているんですか?」だったり、
「へえ~〇〇様、珍しいお名前ですねご出身はどちらですか?」
だったりといった、お客様が答えやすい質問で
お客様の現状を伺い次の問題質問に繋ぐのです。
初対面の場では、お互いに緊張感があり、
空気がピンと張りつめてることが多いでしょう。
そんななか、いきなり
「御社は今後、このようなサービスを導入する予定はありますか?」
というグイグイ踏み込んだ質問をするのはあまりおすすめしません。
お客様が答えやすい質問からはじめて、
「これ尋問か」と感じさせないよう聞き過ぎないのがコツです。
常にいい空気で話を進めましょう。
現在の状況を確認したら、次は過去の質問をします。
「御社では、これまでに〇〇のサービスを利用されたことはありますか?」
と聞けば、
「ああ~、3年前には使ってたよ」
「いや、使ったことないね」
と、事実ベースで答えらえるので、
お客様にとってはハードルの低い質問になります。
また、出てきたお客様の答えを「へえ、そうなんですね」だけで流さず、
なぜ・何のためにといった情報も聞き取るようにすると、
よりお客様のニーズが顕在化してきます。
そして過去の情報を聞いたら、
最後に未来の展望やビジョンについて質問します。
例えば、
「今後は、どのように事業を展開されるご予定ですか?」
「〇年後のビジョンをお聞かせいただけますか?」
このように、お客様が未来に描く理想や、
目標にしていることを自然な流れで引き出しましょう。
また、このような質問を最小限に抑えるため、
お客様に関する情報収集を事前にできる限り進めておくのがプロの仕事です。
そして、次のステップである
問題質問(Problem)へと話を繋げていきます。
隠れたニーズを引き出す「SPIN話法」②問題質問(Problem)について
SPIN話法2つめのプロセス「問題質問(Problem)」についてお伝えします。
状況を確認したら、次はお客様が抱えている問題点をあぶり出します。
売れる営業マンと、そうでない営業マンはここでくっきりと差が出ます。
なかなか売れない営業マンは、
「特に問題ないよ」と言われたらすぐにあきらめ、
「じゃあ、パンフレットだけでも置いて帰りますね」
などと言ってしまいがちです。
しかし、売れる営業マンは、
「特に問題はないよ」は、もう想定の範囲内です。
複数の対応を準備してその場の状況によって使い分けます。
例えば、もしお客様が、
「今は間に合ってるんだよね~」と言ったら、
「あ、間に合っている…と、おっしゃいますと?」
こう返して、より詳しい情報を求めたり、
あるいは「今は他社のサービスで満足してるかねえ」と言われたら、
「なるほど、ちなみに現在お使いの〇〇会社様のサービスを
もし、食べログみたいに評価するとすれば」
「5つ星のうち、星いくつですかね?」
と、お客様が実際使っている他社のサービスをお客様自身に、
あえて採点してもらうと無意識に妥協点をあぶり出すことができます。
ご存じの方も多いと思いますが、食べログの評価で5点満点というのは
私は見たことがありません。
ほぼ100%何らかの減点が出てきます。
もしお客様が、他社サービスを3.8と評価されたら、
「ありがとうございます、あとの1.2はどこがよくなれば満点になりそうでしょうか?」
というように、問題点を顕在化させることができます。
とにかく「不満はない」というこの言葉を鵜呑みにしないことです。
ひとつ注意点として、聞き出すときの枕詞・クッション言葉は必ず使ってください。
例えば、
「率直にお聞きしたいのですが…」
「差し支えなければで結構なのですが…」
「不躾な質問で申し訳ありませんが…」
といった枕詞を活用し、お客様に不快感を与えずに問題提起しましょう。
隠れたニーズを引き出す「SPIN話法」③示唆質問(Implication)について
SPIN話法の3つめのプロセス「示唆質問(Implication)」についてお伝えします。
示唆質問では、問題質問で浮き彫りになった問題点について、
「早く解決した方がいいかも」と、お客様に気づいてもらいます。
示唆質問のポイントはたったひとつ、焦らないことです。
「よーし!ニーズが分かったら応えるのみ!」
と、結論を急ぐ気持ちはわかりますがグッと我慢してください。
これはすごく大事なのですが、ニーズという名のお客様の抱える問題点は、
無知・無関心・関心・悩み
この4つの層に分けることができるのです。
まずは無知の層。
無知という言葉どおり、問題そのものに気がついていない状態です。
次に無関心の層。
問題点の存在は認知しているものの、気にしていない状態です。
次は関心の層。
問題意識はあるが、緊急性が低い状態です。
そして最後に悩みの層。
問題を深刻に捉えており、すぐにでも解決したい状態です。
お客様にとって、無知・無関心の層は、まだ問題ですらありません。
まずはとにかく、お客様に「これは問題だ」と
思わせるところからスタートし、関心の層へと導きます。
ただ、お客様をせっかく関心の層まで導くことができたとしても、
ここで、プレゼンテーションやクロージングを仕掛けていると、
即決を取ることはなかなかできないのです。
お客様にとっては、まだ緊急ではないからです。
「今はいい」や「他もサービスも検討する」と言われ、
せっかくのヒアリングが水の泡になってしまいます。
お客様にとって、関心の層にある問題は、
お客様が問題点を認識しています。
なので、あとはお客様に「今すぐ解決しなければ!」と
思わせるようにヒアリングします。
例えば、この問題を放置すると、
お客様にとってどんなリスクがあるかなどを質問していきましょう。
そうすることでお客様は段々と「今解決したい」というようになってきます。
隠れたニーズを引き出す「SPIN話法」④解決質問 (Need-payoff)について
SPIN話法の最終プロセス「解決質問(Need-payoff)」についてお伝えします。
解決質問とは、お客様が抱えている問題について
どうすれば解決できるのか、お客様と一緒に検討することです。
例えば、塾の営業であれば保護者の方に、
「お父様・お母様、塾がない日でも先生にいつでも質問できる環境があれば
部活が毎日忙しい〇〇くんの成績も上がりそうでしょうか?」
と聞きます。
そうするとお父様が
「そうですね」
「うちの子は、いつでも質問したがる子なのでいつでも聞ける環境があると、
これ一番いいですね」
と、おっしゃいます。
このように解決策がまとまったら、
「当塾でお力になれるかもしれません
ご提案させていただいてもよろしいでしょうか?」
と、プレゼンの承諾を得たうえで満を持して、自社のサービスを提案しましょう。
さあ、いかがでしでしょうか。
ヒアリングはお客様に気づきを与え、お悩みの状態へ導いてこそ効果的なのです。
今回は、ヒアリングを成功させるための必須ツールSPIN話法についてお伝えしました。
売れる営業マンは、こういった技術を無意識レベルで使うことができるので、
さりげなくお客様に気づきを与えることができるのです。
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